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デジタルカメラを選ぶ その三 〜 光量指数

[写真] rose at Auckland Domain (161KB)

前回は気になるスペックを列挙してざっくり比較しました。

この中から取捨選択して、機種を選ばなくてはいけません。

候補機種は以下の通り。

今回、やや高機能なデジタルカメラを選ぶということもあり、これまでは意識していなかった「デジタルカメラとしての性能」を意識するようになりました。

これまでは、どちらかというと、使い勝手や手軽さを優先していました。

画素数に関しては「多けりゃいい」とは全然思っていなかったのですが、それは単純に「画素数が多い = 高スペック」と勘違いしていて、自分の手に余るからという理由でした。

デジタルカメラについてまともに調べてみて、画素数もさることながら、映像素子の大きさも重要な要素であることを今回初めて知りました。

そこで所有している(た)二つの機種、FinePix 4800ZIXY DIGITAL 30aについて改めて比較してみます。

機種名 IXY DIGITAL 30a FinePix 4800Z
映像素子 1/2.7型 CCD 320万画素 1/1.7型 CCDハニカム 216万画素
光学ズーム 2倍 [35 - 70mm] (F2.8 - 3.9) 3倍 [36 - 108mm] (F2.8 - 4.5)
撮影感度 ISO50 - 400 ISO125 - 400
大きさ/重さ 85.0 x 56.0 x 23.9 / 188g 80.0 x 97.5 x 36.3 / 300g
備考   クレードル・音声録音

広角側での焦点距離は35mmフィルム換算で、IXY DIGITAL 30a = 35mm、FinePix 4800Z = 36mm。開放絞り値はともにF2.8です。レンズに関するスペックは、ほぼ同等と言ってよいでしょう。

画素数はIXY DIGITAL 30aの方が明らかに上ですが、仕上がり具合はFinePixの方が良い印象があります。

何が違うんだろう?と思ってみると、CCDのサイズが結構違うことに気づきました。IXY DIGITAL 30a = 1/2.7型に対して、FinePix 4800Z = 1/1.7型です。素子の面積がおよそ2倍程度異なるようです。

映像素子の面積が大きいのに、画素数が少ないので、ひとつひとつの受光素子が大きいということになります。

結果、画素のひとつひとつに対して十分な光量が得られて、ダイナミックレンジが広くなり、それで色の再現力が上になっているという感じでしょうか。

あくまでも私個人的な見解です。実際には、処理エンジンの違いや微細化技術、ノイズ軽減技術など多くの要素が絡んでいて、単純化はできないと思います。

この点から、画素の大きさと画素数の比率に注目してみます。サイズ数の二乗を画素数で割った値を比率として数値化してみます。

ここでは、この比率を仮に「光量指数」と呼びます。数値が大きいほど、ひとつの受光素子の面積が広く、その分多くの光を取り込むことができるだろうと考えます。

この指数は比較検討のために当方が計算したものです。実際の画素ひとつの集光面積を厳密に計算したものではありません。

画質は「素子の大きさと画素数の比率」以外にも様々な要素で決定します。最終的には撮影者の腕に寄るところが多いと思いますので、あくまでも迷ったときの参考程度に……。

光量指数は、1.0型 CCD 1000万画素の場合に 10 となるように計算されます。

機種名 光量指数
FinePix S6000fd 5.4
FinePix S9100 4.3
Lumix FZ30 3.9
Lumix FZ50 3.1
PowerShot S3 IS 2.7
CAMEDIA SP-510UZ 2.3
IXY DIGITAL 30a 4.2
FinePix 4800Z 16

こうして見ると、PowerShot S3 ISCAMEDIA SP-510UZはやはり素子の小ささがネックになっているようです。

また、Lumixのふたつは画素数の多さがやはり引っかかってくるようです。明るいレンズと手ぶれ防止は魅力的ではありますが、今回は見送りに……(次回があるかどうかは不明ですが)。

というわけで、図らずもFinePixの二機種が残る結果になりました。

上記の表では、FinePix 4800Zの指数が際立っていますが、画素数がやはり少ないので、その分画像は荒めになります。ただ、ハニカム構造の特徴により、記録画素は432万画素まで上げることができます。

余談になりますが、光量指数をデジタル一眼レフで計算してみると、以下のようになります。

機種名 光量指数
Olympus E-1 36.6
Canon Kiss Digital X 29.8
Sony α100 26.5
Nikon D70s 49.3
Pentax K100D 47.6
Fujifilm FinePix S3Pro 23.5

映像素子が圧倒的に大いので、その分光量指数も大きくなります。かなり余裕を持って作ってあるのが分かります。

FinePix S3Proがやや小さめの値になっていますが、これ映像素子がやや特殊です。実効画素数1234万画素になっているんですが、S画素とR画素という種類の異なる画素を合計して換算しています。

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