Lumix LX3 を購入しました
- 2010.05.07 Friday
- gadgets
Lumix DMC-LX3 を購入しました。
これまでデジタルカメラは Finepix S9100 (→FinePix S9100 インプレッション) と IXY DIGITAL 30a を使い分けていました。
- 手軽に持ち出せるコンパクトな機種 → IXY 30a
- 本格的に撮りたいときの多機能・高機能な機種 → S9100
FinePix J20
しばらくこの二台体制だったのですが、一年ほど前から IXY 30a が不調で、昨年台北に出張した折に FinePix J20 という機種を購入して使っています。
FinePix J20 は
- 小さくて持ち運びやすい
- お手頃価格
を最重視して選んだ結果です。
出張中だったため、スペックを調べる時間があまりなく、スペックを意識しないで、店頭で値段と大きさを確認して購入しました。
1/2.3 型 1000万画素 CCD (ハニカムではない) という若干余裕のない素子で、レンズも IXY 30a よりも暗いせいか、画素数では優っていても実際の解像感は IXY 30a の方が優れている印象があります。
しかしながら、IXY 30a より薄くて、かなり軽いので、機動力は抜群です。手軽に持ち運んでサッと撮りたいという要望に充分に応えてくれています。
FinePix S9100 の不具合
一方、多機能な機種として使っている FinePix S9100 は、ある不具合を除いて順調です。というのも……
落としてしまって……大した高さではなかったのですが……打ちどころが悪かったらしく、背面液晶が映らなくなってしまいました。
幸いなことに FinePix S9100 は電子ビューファインダー (EVF) なので、撮影した写真の確認もファインダーで行うことができます。折角のマルチアングルが利用できないというのを除けば、とりあえず普通に利用することはできます。
新機種選定
それでもやはり不便に感じる場面もあるので、新しいデジタルカメラは機会があれば欲しいなぁとは思っていました。そんな折、「3万円ぐらいであれば、買ってもいいよ。ただし落とさないこと前提で!」との了解を得たので、早速調査することに……。
条件としては、
- 3 万円程度
- 明るいレンズ
- 広角 (35mm判換算で28mm以下)
- FinePix S9100 よりも小さく軽いもの
になります。
一眼レフにも興味はあるので、予算に収まる一眼レフも少し探してみました。中古なども見ると予算に収まるものはあるんですが、他の条件「レンズや本体サイズ」を考慮するとかなり厳しくなります。時間的にもそれほど余裕があったわけではないので、今回も一眼レフは見送り。
そんな中、まず候補に挙がったのが、発表当初から気になっていた PowerShot S90 でした。
広角側で F2.0 という明るいレンズを搭載しているのも大きなポイントですが、前面レンズ周りのリング上の操作部「コントローラーリング」が使いやすそうです。FinePix S9100 の手動ズーム操作にすっかり慣れているので、コントローラリングをステップズームの操作に割り当てることで、同様な操作を継承できることが期待できます 。
PowerShot S90 (以下、S90) の価格を調べてみたら、Amazon にて 3 万円程度で購入できる様子だったので、第一候補としてほぼ決まりました。
S90 を第一候補として挙げた時、対立候補として挙がってきたのが、Lumix DMC-LX3 (以下、LX3) です。
LX3 vs. S90
機種名 | Lumix DMC-LX3 | PowerShot S90 |
---|---|---|
映像素子 | 1/1.6型 CCD 1130万画素 (3.4) | 1/1.7型 CCD 1040万画素 (3.3) |
レンズ | 2.5倍 [24 - 60mm] (F2.0 - F2.8) | 3.8倍 [28 - 105mm] (F2.0 - F4.9) |
手ぶれ防止 | レンズシフト式 | センサーシフト式 |
撮影感度 | ISO80 - 3200 (モードにより最大 ISO6400 まで増感可能) | ISO80 - 3200 (モードにより最大 ISO12800 まで増感可能) |
撮影可能範囲 | 50cm - ∞ (マクロ [W]1cm - [T]30cm -) | 50cm - ∞ (マクロ [W]5cm - [T]30cm -) |
大きさ/重さ | 108.7 x 59.5 x 27.1 (48.0) / 265g | 100.0 x 58.4 x 30.9 / 198g |
公称撮影可能枚数 | 約380枚 | 約220枚 |
実売価格 | \34,525 - \68,595 | \29,800 - \45,800 |
備考 | 顔検出機能 内蔵メモリ50MB |
顔検出機能 レンズバリアあり |
実売価格は価格.comの 2010 年 5 月上旬時点での価格帯を示しています。
スペックだけ見ると大きさはあまり変わらないような感じですが、これは「突起部除く」大きさで、LX3 ではレンズ部分の「突起」が大きく、実質的には 48.0mm が厚み (レンズキャップ利用時) となります。
ですので、LX3 は S90 よりひと回り大きくて重いカメラと言えそうです。機動力では S90 に分がありそう。
映像素子は画素数・大きさが微妙に異なりますが、ほとんど差はないと言ってよいでしょう。
どちらも広角端が F2.0 から始まる明るいレンズで、LX3 は 35mm 判換算で 24mm からと広角側が強くなっています。S90 は 28 - 105mm で LX3 と比べると望遠側が強くなっています。S90 は 28mm F2.0 なので、S90 の方が (同じ焦点距離での比較した場合) 微妙に明るいとも言えます。
S90 で気になったのは、コントローラーリング以外の部分の操作性で、ウェブ上で見る限り、あまりいい評価が見られませんでした (ただ、他の人が言うほど気にならないという人もいました)。私が店頭で触れていた限り、特に問題なさそうな印象ではありましたけれども……。バッテリーの持ちも LX3 と比較すると分が悪いです。
LX3 の価格は Amazon で 5 万円弱。価格.com での最安値でも 35,000 円程度します。予算に収めるのは厳しそうで、候補としたものの、購入は厳しいだろうなと思っていました。
邂逅
S90 を購入するつもりで、秋葉原を散策していたんですが、S90 の店頭での価格が案外高くて、そのままでは予算内に収まりそうにありません。価格交渉もするつもりでしたが、時間も若干押していたので「帰って Amazon で買うか……」と思いながら、寄ったソフマップで見つけたのが中古の LX3 でした。
純正の本革ケースも付いて、予算に収まる値段で何気に置いてありました。
店員さん *1 に聞いてみたところ、日本で発売されていたバージョンではないようで、ユーザーインタフェースに日本語が表示できないとのこと。
[*1] 日本人店員が接客中で、スパニッシュの店員さんが相手をしてくれました。さすがに世界中から観光客がやってくる秋葉原、少し大きめな店になると、中国語・英語……二ヶ国語以上話せる店員が常駐している様子でした。
個人的には英語のインタフェースでも問題ありません。日本語マニュアルはとりあえずウェブサイトからダウンロードできるでしょうし……。
LX3 は発売から二年近く経っていても、あまり値崩れしていません (最も噂されている後継機種が出たら分かりませんが……)。中古ではありますが、純正本革ケース付き、おまけで SD カードも付けてもらうことにして……。しばらく店頭で悩みましたが、購入することにしました。
純正本革ケース
純正の本革ケースは「速写ケース」と呼ばれるスタイルのもので、前面をカバーする上部と両サイドをカバーする下部に分かれていて、ケースから取り出すという動作ではなく、ケースの上部を外すという動作で撮影体制に入れます。
ケース下部は三脚穴でしっかりと固定するようになっているので、通常の使用で勝手に外れるということはありません。ただし、バッテリー・SD カードの取り出し、PC への USB 接続時には、ケース下部を都度外す必要があります。
ケースを付けることで、本体がひと回り大きくなってしまいますが、最低でも本体底部をカバーしてくれているという安心感があります。また、厚みも若干増すので、ホールドしやすくもなる感じがします。
インプレッション
発売から二年近く経っている機種なので、今更感はありますけれども……。
初めての Lumix だからなのか、操作についてはまだ完全に慣れていません。特に癖のある操作性という訳ではありませんので、基本的な操作にはすぐ慣れました。ボタンの数などは FinePix S9100 に負けず劣らず多い印象ですが、分かりやすく配置されていると思います。
個人的な感覚では LX3 は FinePix S9100 よりも多機能です。一部の機能は、それを利用するためにどのような操作が必要か、が分かりづらくなっているものもあります。異なる画面比をワンショットでまとめて撮れるという「マルチアスペクト」という機能がありますが、これを利用するための操作手順を説明書なしにぱっとできる人は少ないような気がします。
例に挙げたマルチアスペクトは普段使いするような機能ではないため、多少分かりづらくても問題ありません。ただ、この手の操作が多少「取っ付きにくさ」に繋がっているという印象を受けました。
今ひとつの評判のレンズキャップですが、FinePix S9100 でも同様にレンズキャップを都度外す必要があるので、あまり気にならなくなりました。FinePix S9100 と違ってレンズガードを付けていないのがやや不安なぐらいです。
若干ネガティブな面ばかり触れましたが、撮っていて楽しいカメラであることは間違いありません。
何よりも 16:9 という画面比が新鮮です。35mm 判換算 24mm という画角は 16:9 でより強調されるような印象があります。背面液晶画面が 3:2 の比率なので、当初は 3:2 で撮っていましたが、広さが強調される 16:9 が気に入ってからは、もっぱら 16:9 ばかりで撮っています。
ウェブログ用写真に向いているといわれる 1:1 の画面比もなかなか新鮮です。トリミングすれば同じなんですが、やはりその画面比を実際に確認しながら撮る方がはるかに直感的です。
作例
稚拙ではありますが、私が撮った写真をいくつか紹介します。以下の写真は全て Fireworks でリサイズ・ドロップシャドウの付加という加工を行い、JPG / 80% クオリティで書き出しを行っています。
それぞれオリジナル画像にリンクしています。[] の情報は先頭から、シャッタースピード・絞り・感度・35mm 判換算での焦点距離・ファイルサイズになっています。
LX3 はかなり豊富なシーンモードが用意されています。「サンドブラスト」はその中のひとつ。雰囲気のあるモノクロ写真が撮れます。[1/500s f/4.0 ISO1600 24mm 806KB]
ディズニーランドのエレクトリカルパレード。シャッタースピード優先であえてシャッタースピードを落として撮影。[0.8s f/3.5 ISO80 24mm 2.5MB]
こちらは会社からの帰り道、「夜景」モードで撮影したもの。この写真はあまりノイズが目立たちませんが、ISO800 だと FinePix S9100 よりも若干ノイズが乗るような印象があります。[1/15s f/2.0 ISO800 24mm 2.1MB]
マクロモードで接写。FinePix S9100 同様、1 cm まで寄れるマクロはいい感じ。LX3 の方が広角で絞りも F2.0 までいけるので、遠近感がよりはっきりと……。[1/25s f/2.0 ISO400 24mm 1.9MB]
まとめ
長々と書いてしまいましたが、まとめると「Lumix LX3 楽しいし、うちの猫はかぁいい」ということです。
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