ハシゴを外された子
学校・教育・お稽古事 | 2007.10.29 Monday 21:59
また学齢期に、突然、言語が変わったりすると、「ハシゴを、突然はずされる」といいますが、多くの場合、一からやり直しになると、多くの先輩方は語っています。
教育はやっぱり英語? - Manachan's World-東京下町日記 - 楽天ブログ(Blog)
移住前からファンのManachanさんのブログでも書かれている「ハシゴを外される」という事態になってしまった子と思われる10歳児に先日会いました。
娘の友人の従姉で、英語が比較的不得意な東アジアの某国出身。5歳で親元を離れて叔母と従妹の住むオークランドへ。
5歳から10歳まで、5年間NZで小学校に通っているが言葉の発達が大変なことになっていた。留学生や英語以外の言葉を第一言語とする家族で育つ子供のために、ESOLのクラスがある学校なのだが、それでも間に合わず特別クラスに入っている。
5年間NZにいるが、英語はなんとか友達と話ができる程度で学校の授業に登場するような難易度にはついていけない。ゆえに算数などでも遅れをとってしまう。
同年代の子供たちと十分にコミュニケーションできるほどの英語力ではないので、友だちも同国人との付き合いばかりだ。
こうなると、競争の激しい母国に帰ってもとても授業にはついていけない。
それでもまだ母国へ帰った方がいいんじゃないかと私が思うのは、やはりまだ子供、これから思春期も迎える年頃、そんな事を考えると親と過ごす時間の大切さには代えられないのではないかと思うからだ。(母国にいる親は別に病気だったりするわけではない様子)
思えば、5歳と言えば東アジアではまだ幼稚園児。友だちと遊ぶには困らない程度の母国語が育っていたはず。
なのに突然 ハシゴを外され 母国語とは似ても似つかない英語圏のNZへやってきた。
友だちと遊ぶにも困る状態になるのだか、これが幼稚園児だとかだったら大層な英語を使うわけじゃないので、短期間である程度一緒に遊べる程度にはなるだろう。
ところがNZでは5歳で小学校入学だ。毎日1冊絵本を読む宿題が出る。見る見るうちに難しくなり、例えば6歳になったばかりのうちの娘の読む絵本は大体20ページ強で、中には
extinct (形:絶滅した)
germinate(動:発芽する)
などという単語まで登場する。意味の説明を何語でどうやってしたら分かりやすいだろうと私たちも日々苦闘している。来年はどうなるのかとおののいているところだ。
英語圏に来たばかりのその子には、あまりに重過ぎる苦行だったに違いない。
セミリンガルの言葉があんなに現実味を持ったのは私には初めてだった。
言語面だけでなく、精神面の発達にも大いに影響を与えたであろう親の決断の犠牲者は子供だ。
まだ10歳なので諦めるには早すぎだし、なんとか親が手を打ってやれないものかと他人事ながら心配してみたりする。
早い年齢で英語圏に行けば、自動的に(母国語+英語の)バイリンガルになる-という幻想は、本当に子供がかわいそうだからやめて~と思う。
中にはそういう子もいるかもしれないが、大半は「自動的に」ではないと思う。
Manachanさんは大人になって外国語を2つ身につけて、3ヶ国語を操るけれど、日本語のエッセイを読んで実感するのは、
母国語が達者な人は外国語も達者なんだなぁ・・・
ということ。当たり前のことながら、母国語より外国語の方が上手い人なんて稀なんだから、母国語のレベルが低かったら外国語には期待できないのかも。自戒もこめて。
いろいろ考えされられたここ数週間でした。
5歳から10歳まで、5年間NZで小学校に通っているが言葉の発達が大変なことになっていた。留学生や英語以外の言葉を第一言語とする家族で育つ子供のために、ESOLのクラスがある学校なのだが、それでも間に合わず特別クラスに入っている。
5年間NZにいるが、英語はなんとか友達と話ができる程度で学校の授業に登場するような難易度にはついていけない。ゆえに算数などでも遅れをとってしまう。
同年代の子供たちと十分にコミュニケーションできるほどの英語力ではないので、友だちも同国人との付き合いばかりだ。
こうなると、競争の激しい母国に帰ってもとても授業にはついていけない。
それでもまだ母国へ帰った方がいいんじゃないかと私が思うのは、やはりまだ子供、これから思春期も迎える年頃、そんな事を考えると親と過ごす時間の大切さには代えられないのではないかと思うからだ。(母国にいる親は別に病気だったりするわけではない様子)
思えば、5歳と言えば東アジアではまだ幼稚園児。友だちと遊ぶには困らない程度の母国語が育っていたはず。
なのに突然 ハシゴを外され 母国語とは似ても似つかない英語圏のNZへやってきた。
友だちと遊ぶにも困る状態になるのだか、これが幼稚園児だとかだったら大層な英語を使うわけじゃないので、短期間である程度一緒に遊べる程度にはなるだろう。
ところがNZでは5歳で小学校入学だ。毎日1冊絵本を読む宿題が出る。見る見るうちに難しくなり、例えば6歳になったばかりのうちの娘の読む絵本は大体20ページ強で、中には
extinct (形:絶滅した)
germinate(動:発芽する)
などという単語まで登場する。意味の説明を何語でどうやってしたら分かりやすいだろうと私たちも日々苦闘している。来年はどうなるのかとおののいているところだ。
英語圏に来たばかりのその子には、あまりに重過ぎる苦行だったに違いない。
セミリンガルの言葉があんなに現実味を持ったのは私には初めてだった。
言語面だけでなく、精神面の発達にも大いに影響を与えたであろう親の決断の犠牲者は子供だ。
まだ10歳なので諦めるには早すぎだし、なんとか親が手を打ってやれないものかと他人事ながら心配してみたりする。
早い年齢で英語圏に行けば、自動的に(母国語+英語の)バイリンガルになる-という幻想は、本当に子供がかわいそうだからやめて~と思う。
中にはそういう子もいるかもしれないが、大半は「自動的に」ではないと思う。
Manachanさんは大人になって外国語を2つ身につけて、3ヶ国語を操るけれど、日本語のエッセイを読んで実感するのは、
母国語が達者な人は外国語も達者なんだなぁ・・・
ということ。当たり前のことながら、母国語より外国語の方が上手い人なんて稀なんだから、母国語のレベルが低かったら外国語には期待できないのかも。自戒もこめて。
いろいろ考えされられたここ数週間でした。
Comments
選択肢があるのはアドバンテージでもありますが、迷いの種にもなりえますよね。
NZの小学校の読み書きには量質共に感心しまくりなのですが、算数は日本のやり方のほうがいいな、なんて思ったりします。
言葉はコミュニケーションのツールなので、何か一言語でも満足できる程度に使えない子は、苛立ちを見せることが多かったりして情緒面にも影響が大きそうです。
娘も自分の言いたいことがうまく私に伝わらないときなど、「だーかーらぁ!」と声を荒げ気味です。
多言語の環境にいると、子供の教育は、本当に頭の痛い問題ですよね。私も難しさを痛感しています。居住する国、教育機関・・・かなり早いうちから、戦略を練らないといけないでしょう。行き当たりばったりで行動した挙句、どの言葉もどっちつかずになってしまうと、子供が可哀相ですよね。
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