北岸ズクナ師

You can't disappoint me, I can't disappoint me either.
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人助けは気軽に気長に

昨年通ったコースの中で、First Aid (応急処置)のクラスがあった。木曜、金曜と丸二日を使って行われた。早速隣の席のクラスメートは、木曜の夜に車内で意識不明になりかけていた人を助けた。どうやら低血糖をおこしていたらしい。

これくらいでも、一応女性の私は、シティで夜、車中につっぷしている男性が見えたとしても、声を掛けるのを躊躇うだろう。一番可能性が高いのは、ただの酔っぱらいだ。からまれたくはない。低血糖の人と、酔っぱらいの人は、とても似た症状のことがある。実際、酔っぱらいのグループをどこかの保護室にまとめて一晩入れておいたら、実はそのうちの一人は低血糖で死んでしまっていた-なんてこともあったそうだ。父が糖尿病なので、低血糖の症状を見ることがあるが、まさに酩酊といった感じで、盛り場で会ったら、かかわらないように過ぎ去りたいと思うだろう。

金曜日のクラスの最終仕上げとして、二人組でシミュレーションをやった。その想定された場面というのがスゴイ!
夜のシティのあるビルで、刃物を使った殺傷事件が起き、出血多量の重傷者もいるとのこと。マニュアル的には、まず「犯人がまだ現場にいるのか、去ったのか確認」。日赤救急法でもおなじみの基本中の基本、「周囲の確認、自分の身の安全確保」だ。
実際に負傷者役のクラスメートのいる部屋に行くと、作り物だが腕がもげていて「Fワード」連発中だ。どんなサムライが斬りつけたのか知らないが、ラテックスの手袋ぐらいで身を守れる程度の出血でないことは確かだ。
しかしちょっと待った!
いくら困っている人がいるとは言ったって、こんな物騒な現場に駆けつけて人助けをするのは、イヤだ!それが本音だ。もう少しありそうな場面設定はないのか?

これが、家族とあっちゃ話は別で、文字通り「たとえ火の中水の中」冷静さのかけらもなく突っ込んでいって、他の人に羽交い締めにされて止められたりするのだろう。

私は人助けについて、分裂勘違い君劇場さんのこのエントリーが気に入っていて、この意見を支持するのだ。長いけれど、最後まで読み応えがあるので、ぜひまだの人は飛んでいって隅々まで見てもらえたらと思う。

日本にいたときに、ライフセービングのボランティアグループに所属していたが(私は泳力が大してないので、主に陸上で活動)、グループの中に、「人生まるごと人助け」みたいな男性がいた。20代半ばだというのに、合コンにも行かず、職業は消防士、夏の休日は海辺でライフセービング、冬の休日はスキー場でパトロール。もちろん水上安全法も雪上安全法も持っている、同じボランティアでも私とは大違いの本当に戦力になる人だ。
彼ぐらいになると、日々トレーニングを積んでいるので、たとえ火の中水の中、雪の中だって救助に出られるスキルがある。だが、大抵の一般人は、普通の陸上でだってそれは難しい。気が動転してあたふたしたり、野次馬の数を増やすに過ぎなかったりする。微々たるトレーニングを積んだ経験のある自分もそうだと思う。たとえ気持ちは純粋に助けてあげたいと思っていても、スキルがなければ野次馬の一部となってしまい、野次馬の人だかりが大きければ大きいほど、救急隊員は傷病者へアクセスしにくくなる。

また、最近は少し改善されたと聞いたが、応急処置が適切でなかったということで訴えられたりする例も日本ではあった。

命がけだったり、財産丸ごと寄付とかだったりしなくても、もっと気軽にできることをしながら、トレーニングとかを気長に続けていったら良いのかなと思う。

かくいう私は、「やらないよりはマシ?」か「やらないほうがマシだったのかも?」あたりをさまよっている。
author : zukunashi | comments (0) | trackbacks (0)

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