北岸ズクナ師

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IT系専門学校への留学は慎重に

数年前から、NZのIT系専門学校数校に日本語サイトができたり、日系エージェントがつくようになりました。

うちはその前に、別の用事でオットがとあるIT系専門学校の学長に会ったことがあったので、知り合いのワーホリさんが日系メディアへ広告を出してくれる企業を探している時に、紹介してあげました。それがそのワーホリさんの実績になって良かったね~なんて言っていた事があるので、もしかしたら責任の一端があるのかも???しれません。ないと思うけど。

日本では、下請け孫請けなどの多層構造の下の方に入ってしまうと、とんでもない納期、とんでもない受注金額で働いていて、将来の展望も見えなくなってしまいがちです。
そこで外の世界に視線を向けるのも、気持ちは良く分かります。

そこで最近IT系専門学校に日本人エンジニアさんが来るようになったようですが、正直言って、エージェントも学校も入学金や授業料、斡旋手数料をもらえばハッピーなので、卒業後の進路の面倒など見てくれないです。キウイだって新卒は就職難なのです。若い人の失業率は二桁です。

日本から来るエンジニアさんは経験年数が二桁いっている人も少なくないので、場合によっては、家族同伴です。私が聞いた中には(友人の物件を賃貸していた方でした)、5歳のお子さんがいて学校に通わせられない状態の人がいました。
NZでは5歳の誕生日に小学校に入学しますが、永住権かワークパーミットがないと「留学生料金」となってしまい、年間少なくとも50万円ほどかかってしまいます。公立でも。

ワークをサポートしてくれる企業からオファーをもらわないといけませんが、簡単なことではないです。日系に二束三文(職種問わず最低賃金)で雇われるか帰国することになりかねません。上述の方の場合は、1~2年で身の振り方を決めないと、お子さんが6歳の春を迎えてしまい、日本の小学校の入学にも間にあわなくなってしまいます。「1~2年?」と思われるかもしれませんが、「日系に二束三文」オプションを選ばないと、年単位で時間がかかる人もいます。ビザ(というかパーミット)の問題もあります。

私の勝手な印象ですが、IT系専門学校に行かずとも現地企業就職できる人はできるし、できない人はIT系専門学校に行ってもできないです。

欧米は結構学歴社会です(でも日本のように旧帝大がどうのとか、六大学がどうのとかまでは、普通の企業では問われない)。IT系企業だと修士を持っている人がざらにいます。相手が高く評価してくれそうなスキルかコネ、海外赴任経験があれば話は別ですが、そういう人は最初から専門学校にも行かないのかもしれません。

WEB上には、うまくいっているエンジニアの話が目に付くかもしれませんが、そうでない人達の話は、あまり表に出てこないためです。

ウチは、移住前、あえて「うまくいかなかった例」を検索して、研究しましたが、探すのが困難でした。探すのが困難=みんなうまくいっている ではないのですが。ウチは、たまたまNZの大卒で仕事に就けず帰国した人の体験談を目にしたりしたので、かなり気を引き締めて取り掛かりました。

IT系は求人数も多く、他の職種に比べたら言葉の壁が低めで、楽観的な見通しを立てがちですが、あくまで他に比較したらという話です。特に所帯持ちの人は悲観的なシナリオも用意して、何年頑張って思うようにいかなかったら、どうする-というプランも考えておいた上で行動に移さないと、年数ばかり過ぎ、貯金は底をつき、子供は大きくなり、バイトで食いつないではいるがスキルが錆び付き、気付いたら35歳過ぎていて、日本での就職活動が厳しそうな年齢、履歴書に何て書こう-なんてことになりかねません。


私は、日本のエンジニアの方が専門学校に行こうが現地企業に勤めようが日系企業に勤めようが、1円の損得も生じないので、こんな勝手なことを書いています。。。いいのかなぁ。

では、日本人エンジニアの方の目を惹きつけるような、耳障りの良い文章を書いている人は、なぜそれを書いているのか、なぜ日本語のサイトも開設したのか。ぜひそれを慎重に考えてみてほしいです。海外で働くという選択肢は、思い切りがないとなかなか進みませんが、勢いばかりでもいけません。

ちょっと怖い話を書くと、間借り人の学校の生徒さんが一時帰国して、「もうNZに戻らない!日本にいる!」と断るために成田に行ったら、そのまま留学エージェントが強引にNZに連れてきてしまった事が今年ありました。さすがに留学する気なしの子なので、無理矢理連れて来てもまた帰ってしまったのですが。
成田の時点で行く気がないので、スーツケースもなく、ハンドバッグしか持ってないのに。これって拉致監禁じゃないの~?ってくらいですが、それほどに、エージェントにとってその子は生活の糧なのです。

人生の中でも大きな決断だと思うので、日本語の情報だけじゃなく現地語の情報も入手し、どうにか頑張ってみて下さい。そうでないと、結局せっかく来ても日本語や日本人に依存して暮らすことになってしまいます。
この細々運営サイトで書いてもしょうがないけど。ま、老婆心?
author : zukunashi | comments (0) | trackbacks (0)

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