頭脳流出か否か
異文化・多文化 | 2008.04.21 Monday 23:33
英語圏であるNZでは、他の英語圏へのお引っ越しはとても気軽なもののようで、特にお隣オーストラリアに至っては、関東から関西に引っ越すよりも気軽なように見受けられるのです。
景気に翳りが見え始めるや否や、毎日100人以上のNZ人がオーストラリアへ引っ越していくようになりました。ニワトリが先が卵が先か知りませんが、これがまた景気減退を加速させます。
毎週無料で配られる不動産誌には、Aussie bound owner --- (オーストラリアに向かうオーナーが~)と言った文句が踊り、物件を売り急ぐ人が増えるため、あれだけ上がり続けた不動産価格の熱気も一気に奪われます。
そんな中、私の購読サイトから面白い記事を見つけました。
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Analysis by interest.co.nz of migration and employment figures shows net migration to Australia over the last nine years matches almost exactly the drop in the number of unemployed in New Zealand over the same period.
Blogging On Interest Rates, Economics & Business in New Zealand
オーストラリアへ引っ越していく人の数を表すグラフと、NZの失業率を表すグラフを重ね合わせると、見事に傾斜が一致するというのです。
そこでいくつかの考えられるシナリオが投げかけられます。(失業者=それほどデキルわけでない人達という訳ではないのですが)
シナリオ1: NZの失業者がこぞってオーストラリアに向かうことにより、NZの失業率低下。リンクした政府資料の36ページを見ると、Lidgardという人の93年のレポートで、オーストラリア以外へのNZ人の移住は頭脳流出だが、オーストラリアへ移住するNZ人はそんなでもない、みたいなことが記されている。
シナリオ2: オーストラリアに行ってしまう層=NZのデキル人達の層というシナリオ。もしデキル人達がオーストラリアへ行ってしまって、それを残った「それほどデキルわけでない人達」で埋め合わせるとしたら、余計に人数が必要になります(人数ではカバーできないケースもありますが)。人手不足が加速するし、失業者にだって雇用されるチャンスが回ってきます。
シナリオ3: デキル人達から失業者まで、特に偏りないというシナリオ(リンク先の政府資料4ページ参照)。この場合、失業率低下は、単に景気が良いとか公共事業激増とか、そういう要素から来るのかな。
上で紹介した記事を見ると、クラーク政権になってからの生産性の低下は、明らかな感じがします。シナリオ2の場合は、労働党小躍りの失業率の低下には貢献しますが、大層デキルわけではない人達でも、人手不足のため、好待遇で引っ張ってこないといけないので、生産性に見合わない賃金を支払わないといけないし、インフレへの圧力にもなる(金利も上がる)って訳ですね。
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