北岸ズクナ師

You can't disappoint me, I can't disappoint me either.
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余命一ヶ月でのプレゼント

叔父が末期癌で余命いくばくもないと実家から連絡があった。
あまりに急な話だ。

本人にも告知をし、本人曰く「気力で頑張るから、今月ぐらいは持つだろう」と。

叔父は元々、超がつくぐらい非常に周囲の人に気を配る人で、人との会話に自分の苦労を滲ませたりすることのない人だった。でも、そんな性分だといかにもだが、かれこれ10年位「うつ病」で、人と会ったり話したりするのが、非常にしんどい状態で、100歳で大往生した祖母の葬儀にも参列できなかったほどだった。

不思議なのは、そんな叔父が末期癌告知後、昔の叔父に戻ったかのように、見舞客が来ると喜び、しゃべりまくっているというのだ。本当に以前の叔父であれば、客に湿っぽい話などはしなかったし、大いに楽しませたものだったが、まさにそんな感じ。
もちろん見舞客が帰って一人になれば、いろいろネガティブな感情とも向き合うことがあるだろう。

精一杯無理をしている部分もあるだろうが、なんだか私には最後のプレゼントみたいに思えてしまう。あれだけ重いうつであれば、それだけで気力などほとんどないのに、末期癌を告知されて「気力で頑張るから」なんて言っている。
余命いくばくもないとなれば、言い残したいことや伝えたいことがあったりするだろうが、いままでの状態では人と会うことも話すことも無理だった。それを実現することもできる気力をもらった。

本当にありがとう。叔父にも、気力をくれた誰かor何かにも。
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