Re: iPhone 3Gの電波受信感度の問題
- 2008.08.29 Friday
- gadgets
興味深い記事を見かけました。
iPhone 3G 内部の「欠陥がある」電力制御ソフトウェアこそ、その原因であると語ったことを伝えた。要するに、iPhone 3G は、接続を維持するために、携帯電話基地局に対して、必要以上に多くのパワーを要求するようになっており、複数の iPhone が、同じ基地局へ同時に接続を試みる時に、これが非常に大きな問題を招いてしまう
iPhone 3Gの電波受信感度の問題、電力制御ソフトウェアが原因の可能性:モバイルチャンネル - CNET Japan
3G と呼ばれる携帯電話網は WCDMA という方式を採用しています。
WCDMA の特徴のひとつに「正確な電力制御」があり、それ故に電力効率がよいという謳い文句があります。
今、現在「電力効率が良い」という謳い文句を使っているかどうかは分かりませんが、少なくとも CDMA が発表された当初は、それも利点のひとつに挙げられていました。
余談になりますが、 WCDMA 端末はいわゆるアンテナがアンテナっぽくなっていないものがほとんどですが、それは利用されている周波数帯によるもので、WCDMA だからという訳ではないと私は認識しています。
WCDMA では、基本的にどの端末 (携帯電話) も同じ周波数を利用するので、互いの信号が干渉しています。
もちろんそのままでは、互いの信号が邪魔し合って通信できなくなってしまうので、それぞれの端末が独自の暗号 (直交符号) を利用して、自分の信号だけを抜き出すような工夫がされています。
いくら暗号を使って、自分の信号だけを抜き出すような工夫をしていても、隣で大声で話されるとやはり邪魔になります。
そこで WCDMA では、基地局に繋がる全ての端末ができるだけ「同じ大きさの声 (電波の強さ)」になるように電力をリアルタイムで調整します。
同じ電波の強さというのは、端末が繋がる基地局から見たときの電波の大きさです。従って、基地局から遠い端末は強い電波で、近い端末は弱い電波で通信しています。
つまり WCDMA では、「電力制御のおかげで電力効率が高い」というのはあくまでも結果論副作用で、実際にはきちんと電力制御をしないと通話が成立しない可能性があるというぐらいという重要な技術と言えます。
そうした視点から見ると、
接続を維持するために、携帯電話基地局に対して、必要以上に多くのパワーを要求する
というのは、ちょっと「ひどい」。……ひどいというか、にわかには信じがたい。
電力制御の方法に関しては、キャリア側から厳格に仕様として決まっているはずで、こういうのは基本的に起きないはずなんですが、事前のチェックとかしていないのかな?
少なくとも、DoCoMo では無理なような気がするんですが。
記事には「複数の iPhone
」とありますが、記事の内容が事実なら iPhone 以外の端末にも、悪影響を及ぼしているはずです。
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