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十歳になった娘へ

十歳の誕生日、おめでとう!

先日、あなたは十歳の誕生日(たんじょうび)(むか)えました。

十歳。

あなたの眼には世界はどのように映っているでしょうか。

私が十歳、つまり小学四年生だった(ころ)、とても(なか)の良い友だちがいて、毎日のように一緒(いっしょ)にマンガを描いていました。

右のカービィの亜種(あしゅ)みたいなキャラクターは、その頃描いていたマンガのメインキャラクターの一人。フェルトで作ったものですが、今でも手元にあるのがびっくり。

マンガもそうだけど、自分でストーリーを考えるのが好きだったので、星新一のショートショートなんかを真似(まね)た短編小説 (ショートストーリー) みたいなものを書いたりもしていました。

マンガも小説もあまりに(つたな)く、とても見せられるようなものではなかったけれど、漠然(ばくぜん)と「漫画家(まんがか)」か「小説家(しょうせつか)」になりたいと思っていました。

その夢がガラリと変わったのは、誕生日に買ってもらった任天堂(にんてんどう)のファミリーコンピュータ、いわゆる「ファミコン」のせい。

ファミコンを始めとするビデオゲームには、それこそ朝から(ばん)までずっとゲームをしていたと言っても言い()ぎでないくらい、のめり()みました。

最近はほとんどプレイすることもなくなってしまったけれど、ニュージーランドに来る直前(ちょくぜん)あたりまで、ビデオゲームばかりやっていたぐらいです。ウソだと思うならあなたのお母さんに聞いてごらんなさい。

ゲームを上手(じょうず)にプレイできれば(うれ)しいけれど、残念(ざんねん)ながら「ゲームをうまくプレイする」才能にはあまり(めぐ)まれませんでした。その分、ゲームを創造(そうぞう)する方に興味(きょうみ)が向いてました。……「ゲームデザイナー」になりたいと思うようになります。

それが実現(じつげん)するかはどうかはともかく、私が十歳に(えが)いていた「漫画家」「小説家」「ゲームデザイナー」という夢は、私に大きく影響(えいきょう)しました。その頃に描いた夢が(ちが)ったものであれば、私は確実(かくじつ)に違った人生を歩んでいたであろうと思います。

私が十歳の頃、「ニュージーランド」という十歳の頃には知りもしなかった場所で生活しているとは夢にも思いませんでした。

夢に思っていること・夢にも思わなかったこと、これからあなたの将来(しょうらい)に起こるであろうことは(だれ)にも分かりませんが、あなたの目の前には果てしない可能性が広がっていることだけは確かです。

あなたの人生が素晴(すば)らしいものであると胸をはって言えるよう、私も (そして、あなたのお母さんも) 精一杯(せいいっぱい)のサポートをしていこうと思っています。

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