北岸ズクナ師

You can't disappoint me, I can't disappoint me either.
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英語圏へ移住することと英語の必要性

必要に決まってるじゃないか~!とうツッコミがいきなり入りそうなタイトル。

ですが、ABCレベルの移民だって、命からがらやってきた難民だっているので、そんなにできなくても支障はない感じです。

愛読させてもらっている分裂勘違いくん劇場で、うちの移住理由の一つがこれですよ!という記事がありました。私が零細サイトでつぶやき続けるより、彼の説得力ある文章の方がはるかに影響力がありますから、彼の記事でよそにチーズを探しに行く人が出始めたら、面白いだろうなぁ。

要するに、投資において、全ての資産を一点がけするのが危険な投資戦略であるように、自分の生活基盤となる国家を一カ所だけに限定してしまうのも、極めて危険な賭なのです。

日本でしか生きていけないと将来破滅するリスクがあるので、世界中どこでも生きていける戦略のご紹介 - 分裂勘違い君劇場



でもこの記事への反応の中に「でも英語できないし」というものが多く見られます。世界中で、日本人が一番英語(特に英会話)に謙虚すぎではないかと思うほどです。
英語の必要性に過剰に重み付けをしているような気がします。他の国から来る移民の中には、驚くようなレベルの人だって沢山います。もちろん、それゆえに苦労したり、思うようにいかないこともありますが、それでも移住前に諦めたりせず、来て暮らし始めちゃうのです。
英語は大事ですが、だからと言って、そんなに早急に諦めてしまうのはもったいない感じがします。

英語力もスキルも十分にある人であれば、尚問題ないですが、そういう人は日本依存症になることもないでしょうし、既に日本を出ていることもあるかもしれません。

どちらが求められているかと言えば、それは、断然スキルです。
英語は、聞く話すに至っては、ホームレスさんでもできるわけですから、強みになりません。ですが、できた方がもちろんいいので、準備はできるだけして、あとは機会もふんだんにある現地で鍛えましょう。

英語ができてスキルのない人を海外から呼ぶほど、英語のできる人が足りてないわけではありません。

オットばかり例に出すのも何ですが、身近にいるので手っ取り早い例です。
彼の移住前のTOEICのスコアは400点台で、1度だけ500点台にのった気がする、というレベルでした。今は600点台はいけるだろうと勝手に思っていますが、700点台は微妙なところです。

これでは、日本の大企業であれば「海外赴任はおろか海外出張」の基準にも満たなかったことでしょう。
そんなオットですから、日本からの電話での就職活動は、まったく相手にされませんでした。
今勤めている会社でも、しばらくは彼の履歴書は人事止まりでした。

しかし、IT技術者が足りていないNZですから、その会社でも始終募集をだしており、ついに開発担当部署の人がオットの履歴書を目にする機会があり、即面接に呼ばれることになりました。

英語はたどたどしくとも、しっかりホワイトボードのプログラミングの問題を解いて、認めてもらえたオットは無事採用となりました。

最初の3ヶ月は、新卒レベルの収入でという条件でしたが、3ヶ月後には1.5倍になり、4年半経過した現在は2倍ちょっとになりました。高所得ではないですが、NZの平均よりはずっと良いです。

入社当時、今よりもちろん英語がずっとできなかった時、彼は「仕様書を読み(技術英語なので、専門用語に親しんでいる人であれば、受験の長文読解よりずっと簡単です)」「プログラミングをし」「できたものをディスプレーで見てもらう」という具合に、徹底的に苦手な「聞く・話す」をうまく?避けて仕事をしていました。

但し、これより上を狙う人は、最低でもビジネスレベルの英語が必須になります。マネージメント的な要素が仕事に増えてくるし。
オットのように、開発が好きでコードをがしがし書き続けたい人には、マネージメント的な仕事に時間をとられるのは、所得が増えても嬉しくないことだったりするんだけどね。

なので、今、非情な労働条件で健康を害しながら働いているIT系の人達も、思い切ってトライしてみる価値はあるんじゃないのかな。

移住を無謀な賭けと見る人もいますが、全部の卵を日本と言う慣れ親しんだとはいえ、たった一つのバスケットの中に入れておく方が、博打です。

「日本以外でも働いて暮らしていくことができる」というのは、大きな安心感です。これを実感してから、それでも日本で改めて家族友人もいて、勝手の分かっている日本が良ければ、戻って暮らしても良いのですから。

話があっちこっち行って申し訳ないですが、NZに来ると収入が下がるのでは、という心配をする人がいます。

例えば、日本で税込み500万円もらっているとします。その500万円のために1日8時間×週5日×年52週働いて、更に月100hのサービス残業をしているとします。その人の時給は約1500円となります。

仮にその人がNZでIT技術者の中でも賃金が低めの職種で、学校や企業のパソコンやネットワークのサポートをするとします。やや悲観的に見積もって税込み$40000の年収とします。今、大体レートが80円位なので320万円相当です。激減!!!と思われるでしょう。
でもその320万円のために1日8時間×週5日×年48週働いたとすると(年間4週間のホリデーは法律で定められていて、病欠は別)、その人の時給は約1600円です。

雑な計算ですが、心配するほどのことはないかと思います。この所得で足りなければ、月100h頑張って自宅のパソコンで受託開発か何かするのも手ですし。余るのは月100hだけではなく、通勤に使う時間の差分でも得られるかと思います。
お子さんがいて、この年収ならば、手当てがかなりつきます。

選択肢の一つとして悪くないかと思うのですが、どんなもんでしょうかねぇ。
「案ずるより生むが易し」、とか「住めば都」、とかありですし。

※ビザの問題については、以前より難しくなっていますが、日本の勤務先を辞めずに手続きを進める方法(北京面接があったり)もあるし、20代の人だったらワーキングホリデービザという働けるビザがあるから、このビザで1年間就職活動に専念するというのも一つの手。
author : zukunashi | comments (0) | trackbacks (0)

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