WWDC2007のキーノートにて、Windows上で動作するSafari、Safari 3.0 for Windowsが発表されました。
さっそく試してみたので、簡易レビュー。
日本語版Windows XPでの、日本語表示について検証した内容を追記しています。Safari RSSリーダー上でも日本語を正しく表示できるようになります。
[注意!]Safari 3.0.2が公開されていて、日本語の表示に関してほぼ問題なくなっており、当記事の内容は古くなっています。
Safari 3.0 for Windows 簡易レビュー
Safariのページよりダウンロードしました。アーカイブのサイズはWindows版が7.9MBで、Mac OS X版が14.5MB。Mac OS X版の方が倍近いですが、これはUniversal Binaryだからでしょうか。
Windows版は、インストーラーがダウンロードされます。起動して、インストール先やらを選択します。
インストールが終了すると、デスクトップなどにアイコンが置かれます。
インスールされたファイルを見ると、WebKitの他にSQLiteのライブラリもあり、SQLiteを内部で利用しているのが伺えます。
CoreGraphicsやCoreFoundationというMac OS X由来と思われるライブラリも興味深い。今後、他にもMac OS Xから移植されるアプリケーションが出てくるんでしょうか。
早速起動してみます(次のスクリーンショットは実際の大きさの画像にリンクしています)。
まず、一目でフォントの描画が(Internet ExplorerやFirefoxとは)違うことが分かります。サイズを小さくしてもアンチエイリアスがかかる表示になっています。
アンチエイリアスのかけ具合は設定で変えることができますが、ビットマップな表示はできない様子。ここら辺はAppleのこだわりなんでしょうね。
特に新しいフォントがインストールされた形跡はないようですが、MSゴシックとか使っているんでしょうか、これ。
パブリックベータらしく、バグ報告用のボタンがツールバーにあります。
続いて、手元のテストページを表示してみます。
Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja) AppleWebKit/522.11.3 (KHTML, like Gecko) Version/3.0 Safari/522.11.3
Safari 3.0 for WindowsのUser Agent
このページでは日本語が化けていますが、原因不明です。
っていうか、UserAgent文字列、長いなぁ〜。
初めてSafari 3.0 for Windowsを利用するはずなのに、アドレスバーに履歴が表示されます。おそらくInternet Explorerからアドレスの履歴を持ってきているんだろうと思われます。
設定はEditメニューから開きます。iTunesなどと一緒です。
設定ウィンドウで設定できる内容はMac OS X版もWindows版も大差ない様子です。
Safari以前でもAdobeのApollo(AIRに改名)など、WebKitを利用したブラウザはありましたが、Safari3 for WindowsはさすがにApple純正ということもあって、より「らしい」表示になっています。
面白いのは、テキストエリア。マウス操作により、リサイズが可能になっています。これはMac OS X版でも同様のようです。
スクロールバーなどもアクアな表示になっていて、「プチMac OS Xの世界」って感じでしょうか。ここら辺はiTunesなども一緒ですね。
まだ、動作などは若干不安定な感じがしますが、結構本気で作っている印象は受けるので、これからに期待でしょうか。
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すでに各所で報告されていますが、Windows XP 日本語版では、日本語フォントが正しく表示されないケースがあるようです。
[注意!]Safari 3.0.2が公開されていて、日本語の表示に関してほぼ問題なくなっており、当記事の内容は古くなっています。
実際、当方のMacBookにインストールしているWindows XP Home日本語版では、うまく日本語が表示できませんでした。選択してコピーすると、きちんとペーストはできるようなので、表示だけがとりあえずうまくいっていない印象です。
解決方法に関しては、決定的な方法はない感じがします。最速インターフェース研究会さんで触れられている方法を試しましたが、当方の日本語環境ではうまくいきませんでした。Parallels上だからというのも影響しているかもしれません。
ところが、Windows XP英語版では、特に何かしらの設定をしなくても、日本語など綺麗に表示されます。Safari内臓のRSSリーダーもほぼきちんと動作している様子です。
このことから推測して、Microsoft AppLocaleで「English」を指定してSafariを起動させてみたりもしましたが、症状は改善されませんでした。後でParallelsの設定をいじってみる予定です。
なお、日本語入力はWindows XP日本語版・英語版どちらもできないようです。他で日本語入力して、ペーストする方法でしか日本語そのものをフォームに流し込む方法はない様子。これはツールバーの検索欄も同様です。
Safari 3.0 for Windowsで日本語が表示できないというのを見かけますが、正確には以下のような感じのようです。
[注意!]Safari 3.0.2が公開されていて、日本語の表示に関してほぼ問題なくなっており、当記事の内容は古くなっています。
Win Safariで日本語フォントを指定する方法β | Blog hamashun.comでも検証されています。
英語版Windows XPで動作させた場合、日本語はほぼ問題なく表示されます。タイトルに含まれた日本語も動作しますし、「テキストエンコード」メニューも英語でばっちり表示されます。
Windows Vistaでの動作は未確認です。Windows Vistaでは、Windows XPと異なり(Mac OS Xと同様に)、インタフェースを完全に英語に切り替えることができるはずですので、日本語で問題であれば、英語に切り替えて起動したら正しく動作するかもしれません。
日本語版Windows XPで動作させた場合、いくつかの条件によって日本語が正しく表示できなくなるようです。
アプアランス設定で、日本語を含む名前のフォントを指定した場合(例えば「MS ゴシック」)⇒Safari for Windows betaで日本語表示する方法で言及されています。
従って、まず、MS UI GothicもしくはOsakaなど、英数字だけで名前が構成されているフォントを選ぶ必要があります。
しかし、これでもまだ日本語が正しく表示されない場合があります。これはおそらくスタイルシートの設定が問題です。
例えば、SimpleBioxesは、日本語版Winodws XP + Safari 3.0の組み合わせで表示できない典型的なサイトでした(今は修正済みです)。
結論としては、以下のスタイルが原因でした。
h1,(中略)
blockquote {
/* except MacIE \*/
font-family: "Lucida Grande", sans-serif!important;
/* end for MacIE */
}
これは以前Mac OS X上で動作するGecko系ブラウザでフォントの高さがうまく表示されないというバグに対処するためにいれたスタイルでしたが、これが今回Safari 3.0 for Windowsに対して悪影響をもたらしていました。
ざっくりと検証すると、
* {
font-family: sans-serif;
}
こんなスタイルも引っかかります。あと日本語が表示できないフォントを指定した場合に、そのフォントが存在し、さらに日本語が使われていると表示できない様子です。
本来はユーザーが指定したデフォルトのフォントで表示すべきかと思われます。
ただ、以下のようなちょっと不正なスタイルだと、現状のSafari 3.0 for Windowsでは効果があります。
* {
font-family: , sans-serif;
}
「sans-serif」の前に「,」を置いただけ。おそらく、その行が無効になるため。
以上、簡単な検証でした。もしご自身のサイトがSafari 3.0 for Windowsで表示できないという場合、スタイルを見直してみて下さい。
とりあえず、以下の指定が無難です。
* {
font-family: "MS UI Gothic", sans-serif;
}
上記の変更を施しても、Safari 3.0 for WindowsのRSSリーダー上では、Safari固有のスタイルが適用されるため、日本語が正しく表示されません。
[注意!]Safari 3.0.2が公開されていて、日本語の表示に関してほぼ問題なくなっており、当記事の内容は古くなっています。
この「Safari固有のスタイル」を変更すれば、Safari RSSリーダー上でも正しく日本語を表示できます。
具体的には、C:\Program Files\Safari\PubSub.resources\Main.cssを変更します。
もちろん「C:\Program Files\Safari\」の部分は、インストール先によって変わります。
Main.css内部に
Helvetica, sans-serif
という記述が7カ所程あります。これを以下のように変更します。
"MS UI Gothic", "Helvetica", sans-serif
これでMS UI Gothicが表示フォントとして、適用されるので、Safari RSSリーダー上でも日本語が正しく表示されるようになります。
以上の点に気をつければ、とりあえず、実用というレベルではない
と言われているのも少し改善できるのではないでしょうか。
実際、英語版Windows XP上でしたら、若干動作の不安定さは感じますが、十分使える印象です(日本語入力はできないので、その点はどうしようもありませんが)。