出生率2.36の日本人
異文化・多文化 | 2009.05.15 Friday 14:16
日本では子育て応援団が発足して、頑張ってくれているようだが、日本人が子供をあまり産まなくなったのはなぜだろう。
ここNZも少子化が進みつつあるが、周囲の日本人を見回しても、私のように一人っ子を育てている日本人ママは少数派で、3人の子持ちは珍しくもない。
日本語教室の名簿で確認してみると、日本人夫婦14組から33人の子供が生まれている。(最近入学した人は家族構成を知らないので含めていない) 割ってみるとなんと一人の女性当たり2.36人!サンプル数が少なすぎるし、合計特殊出生率とは算出の式が違うから比較するのは乱暴と思うが、それにしても随分な違い。
NZにも貧困も不妊もあり、子供を持たない人もいる。日本語教室のような場所には子供のいる人しか来ないので、子供0人という家庭がサンプルには入らない。
(宗教的な何かがある人は除いて)、彼らは日本に住んでいたとしても、そんなに産んだのだろうか。
なんとなく違う気がする。
大体、世界の保険料の1/3を支払っているという日本人なのに、NZで会う日本人には、「車の保険以外入ってない」という人がざらなのだ。生命保険、医療保険、癌保険、女性特有の病気保険、三大成人病保険、所得保障保険、スポーツ保険、ボランティア保険、火災保険、海外旅行保険、等々。日本にいる日本人であれば、このうちの半分位は入っているか、入っていたことがあるかではないのだろうか。
家計が苦しくなるほど保険に入って、子供は1~2人という日本の日本人。
保険にはほとんど入らず、子供を2~3人は産むNZの日本人。(日本人同士の夫婦でも)
私自身はどちらにも入らないのですが、この違いは一体なんなんでしょう。
ここNZも少子化が進みつつあるが、周囲の日本人を見回しても、私のように一人っ子を育てている日本人ママは少数派で、3人の子持ちは珍しくもない。
日本語教室の名簿で確認してみると、日本人夫婦14組から33人の子供が生まれている。(最近入学した人は家族構成を知らないので含めていない) 割ってみるとなんと一人の女性当たり2.36人!サンプル数が少なすぎるし、合計特殊出生率とは算出の式が違うから比較するのは乱暴と思うが、それにしても随分な違い。
NZにも貧困も不妊もあり、子供を持たない人もいる。日本語教室のような場所には子供のいる人しか来ないので、子供0人という家庭がサンプルには入らない。
(宗教的な何かがある人は除いて)、彼らは日本に住んでいたとしても、そんなに産んだのだろうか。
なんとなく違う気がする。
大体、世界の保険料の1/3を支払っているという日本人なのに、NZで会う日本人には、「車の保険以外入ってない」という人がざらなのだ。生命保険、医療保険、癌保険、女性特有の病気保険、三大成人病保険、所得保障保険、スポーツ保険、ボランティア保険、火災保険、海外旅行保険、等々。日本にいる日本人であれば、このうちの半分位は入っているか、入っていたことがあるかではないのだろうか。
家計が苦しくなるほど保険に入って、子供は1~2人という日本の日本人。
保険にはほとんど入らず、子供を2~3人は産むNZの日本人。(日本人同士の夫婦でも)
私自身はどちらにも入らないのですが、この違いは一体なんなんでしょう。
1.海外に暮らす日本人は、変わり者だから、日本にいる日本人と比較してはならない。
2.セーフティネットが違うのだろう。
1について、確かに日本の主流を占める?保守的な層と海外で暮らすことを選ぶ人達では、かなり違うのだろう。日本社会ではやっていきにくい、良い方向ORその反対にはみ出している人達なのかもしれない。
でもプロジェクトチームのような立場の人達が考えるのは、2の要因だろう。
その安心感 はどこから?
勝手にリストアップ。
(1)NZには昔から期限無しの失業保険があったので、それが今後も永遠に続く保証はどこにもないが、なんとなく一家で路頭を迷ったりすることはなさそうな安心感がただよっている。一家心中なんて聞いたことがない。失業保険の弊害もあるが。
(2)公的医療はタダなので、医療保険はいらないかなと思ったりする人もいる。保険料は高いし若くて元気なうちはいいかな、みたいな。余談だが、人の家やオフィスのデスクにまで押しかけてくる保険屋には、まだ会ったことがない。親戚縁者は全員入れる!みたいな日本ほど激しいノルマがないのかもしれない。生命保険もそれほど入っている人がいないせいか「保険金目当ての殺人」の類の事件を耳にしたことがない。
あと、公立病院での出産は無料。出産前の検診も通常のものは無料。
(3)中古住宅の市場が活発。今はバブルが終わったので、それほどでもないが、日本のように築10年だか20年だかで上物に価値無しなどと言われてしまうことはない。生活苦になれば、売ってダウンサイズするなり、賃貸に移るなりすれば良い。それも無理なほど生活苦であれば、低所得者層用の公営住宅に申し込む。
(4)高齢者が強欲でない(笑)。NZも高齢者の数が増えているので、選挙の得票数に与える影響は大きいと思うが、「子供のいる勤労家庭」への施策を阻んだりしない。WORKING FOR FAMILIES の導入でミドルクラスの子持ちの家庭にも手当が行き届くようになった。 例)年収5万ドルで12歳以下の子供が二人いる家庭には8千ドルの手当。感覚的には500万円の年収で年額80万円の手当。
(5)一人親家庭へのサポートが手厚いので、日本の母子家庭のような感じではない。が、ゆえに気軽に離婚を選んでしまってないか?という面はあり。でも経済的な理由で、愛のない夫婦関係にしがみつく人がいないので、仲の良い夫婦か別れた夫婦が大半を占め、「夫婦仲が破綻しているが別れていない夫婦」にお目にかかることは少ない。
(6)年金の仕組みが比較的シンプル。確定拠出型のkiwisaverが導入され、段々変わっていくと思うが、日本ほど複雑でもないし、記録がなくなったという話は聞いたことがない。
(7)人口密度が低く、食糧自給率が高い。住む場所と食べ物を確保できそう-というのは、生物として「まだ増え続けてもいいかも」と安心感(?)。
雇用、医療、住宅、高齢者、一人親、年金、食糧自給率、といかにもな課題が並んでしまいました。どうしましょ。
2.セーフティネットが違うのだろう。
1について、確かに日本の主流を占める?保守的な層と海外で暮らすことを選ぶ人達では、かなり違うのだろう。日本社会ではやっていきにくい、良い方向ORその反対にはみ出している人達なのかもしれない。
でもプロジェクトチームのような立場の人達が考えるのは、2の要因だろう。
その安心感 はどこから?
勝手にリストアップ。
(1)NZには昔から期限無しの失業保険があったので、それが今後も永遠に続く保証はどこにもないが、なんとなく一家で路頭を迷ったりすることはなさそうな安心感がただよっている。一家心中なんて聞いたことがない。失業保険の弊害もあるが。
(2)公的医療はタダなので、医療保険はいらないかなと思ったりする人もいる。保険料は高いし若くて元気なうちはいいかな、みたいな。余談だが、人の家やオフィスのデスクにまで押しかけてくる保険屋には、まだ会ったことがない。親戚縁者は全員入れる!みたいな日本ほど激しいノルマがないのかもしれない。生命保険もそれほど入っている人がいないせいか「保険金目当ての殺人」の類の事件を耳にしたことがない。
あと、公立病院での出産は無料。出産前の検診も通常のものは無料。
(3)中古住宅の市場が活発。今はバブルが終わったので、それほどでもないが、日本のように築10年だか20年だかで上物に価値無しなどと言われてしまうことはない。生活苦になれば、売ってダウンサイズするなり、賃貸に移るなりすれば良い。それも無理なほど生活苦であれば、低所得者層用の公営住宅に申し込む。
(4)高齢者が強欲でない(笑)。NZも高齢者の数が増えているので、選挙の得票数に与える影響は大きいと思うが、「子供のいる勤労家庭」への施策を阻んだりしない。WORKING FOR FAMILIES の導入でミドルクラスの子持ちの家庭にも手当が行き届くようになった。 例)年収5万ドルで12歳以下の子供が二人いる家庭には8千ドルの手当。感覚的には500万円の年収で年額80万円の手当。
(5)一人親家庭へのサポートが手厚いので、日本の母子家庭のような感じではない。が、ゆえに気軽に離婚を選んでしまってないか?という面はあり。でも経済的な理由で、愛のない夫婦関係にしがみつく人がいないので、仲の良い夫婦か別れた夫婦が大半を占め、「夫婦仲が破綻しているが別れていない夫婦」にお目にかかることは少ない。
(6)年金の仕組みが比較的シンプル。確定拠出型のkiwisaverが導入され、段々変わっていくと思うが、日本ほど複雑でもないし、記録がなくなったという話は聞いたことがない。
(7)人口密度が低く、食糧自給率が高い。住む場所と食べ物を確保できそう-というのは、生物として「まだ増え続けてもいいかも」と安心感(?)。
雇用、医療、住宅、高齢者、一人親、年金、食糧自給率、といかにもな課題が並んでしまいました。どうしましょ。
Comments
1/3以上がゼロって、不妊が主ではなさそうですね。NZも「既婚女性100人」とかの数字があって比較できると興味深いのですが。
今は子供の数と所得に応じて、大盤振る舞いをしているNZ政府ですが、いつまでバラまき続けられるんだろうと思います。
NZに移住した日本人は子だくさんの傾向なんですか・・・。
興味深いことに、NZのお隣のオーストラリアでは、日本人移住者の平均出生率のデータは、非常に低い数値を示しています。
・Ausに在住する日本出身の既婚女性100人中、38人は子供ゼロ
・合計特殊出生率は、忘れましたけど、1を下回る水準
これは、あらゆるエスニックグループのなかで最低の数字。逆に、一番子だくさんなグループはレバノン人でした。
現在のNZの年金は税金がベースになっていて、支給開始までに「5年居住」していればもらえるのですが、もらえる金額はこんな感じです。
http://www.workandincome.govt.nz/manuals-and-procedures/deskfile/main_benefits_rates/new_zealand_superannuation_tables.htm
KIWISAVERの導入で、「2階」の部分を各自の積立と運用で用意することになりましたが、1階部分はそのうち縮小とかなんとかになっていくのでは、と私個人は思っています。
ondagawa様の言われるように、NZ経済は高金利目当てに投資をしてくれている外国人に依存しています。景気が悪いから金利を下げはするのですが、あまり下げると投資を呼べなくなってしまうので、苦しいところだと思います。
バブルを経て、10年落ちの車など当たり前だった町でもヨーロッパ車が目立つようになり、豊かになったかのように錯覚する人もいますが、生産性は上がっていません。
先月のエントリーのイラストがユーモラスに何かを語っています。。。
http://serennz.sakura.ne.jp/td/zukunashi/sb/log/eid269.html
こんな状況なので、私はあまりこの状況にあぐらをかきたいとは思えず、良くないシナリオへの対応も考えつつ暮らしています。
ondagawa様、また良ければお越し下さい。
一方、問題点としてはNZの対外債務の大きさがあります。日本人はNZが好きなので途方もない金額を貸したり、国債を保有したりしています。そういう意味では日本国民の労働でNZ国民の幸福がなりたっているという側面があります。
対外債務はGDPの9割 6兆円に達しており、高金利政策と日本人の根拠ない信頼感によってなんとか資金繰りが破綻していない状況です。
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