北岸ズクナ師

You can't disappoint me, I can't disappoint me either.

公立学校の人事

日本だと、例えば県立高校の教員は、県で採用されて、数年毎に県内の高校で異動がある。確か。

NZの場合、定期的な異動はなく、他校に転職したり引退でもしなければ、何十年でもその学校で教えることができる。

でも人事は校長に大いに依存する。校長が替わると、校風がガラッと変わることがあるのは、そのため。

あまりに身近な例で申し訳ないが、娘の通う学校では、娘がYear2の時に校長が替わった。その後2年ちょっとしか経っていないが、教員は半数以上が入れ替わった。次に辞めそうなのはアノ先生だろう、と想像できたりするぐらいだ。

敏腕校長を引き抜かれて、ちょっと盛り下がってしまった学校もある。

たまに「どこの学校がいいんですか?」と見ず知らずの人から問い合わせがあることがあるが、これは答えにくい質問。

その人が引っ越してくるまでに校長が替わってしまうかもしれないし。なによりも先生個人の力量や子供との相性も大きい。
力量の話題ついでに、先生が子供を評価するのだから、私も娘のこれまでの先生を5段階評価してしまうと

Year 1 A先生 4
Year 2 B先生 1
Year 3 C先生 5
Year 4 D先生 3

といったところ。
A先生は、「生徒1人1人がよく見えているな」という感じ。生徒をよく分かっているので、面談でもきめ細かな話ができる。

B先生は、お話にならない。。。が、私の知る限り、市内A公立小学校を1年で辞め、娘の通う学校を2年で辞め、現在市内B公立小学校で教えている。生徒の能力把握がまるでできないので、グループ分けがメチャクチャ。生徒の気持ちをつかむのも下手なので、教室内はいつもカオス。低学年はguided readingを毎週するのが普通だが全然しない。宿題の本も持たせない。毎週のスペリングの課題もしょっしゅうスキップ等など。書ききれない。クラスの4割ほどの親が校長に相談に行った。

C先生 素晴らしく良かった。インド人で更に旦那さんが数学者のせいか、算数を基礎からしっかり教えてくれる。エイドの先生やペアレントヘルパーとの連携が上手。

D先生 今の校長が来て、最初に採用したシニアレベルの先生。まぁまぁだ。。。ミドル(Year3と4)の学年主任をしているため忙しく、しょっちゅうリリーフティーチャーがやってくるのが難。

なんと、4名のうち上3名はもう辞めてしまいました。。。
A先生は、上の方のポジションだったのですが、明らかに新しい校長とかなりの衝突か何かあったのでしょう。Farewell assembly(お別れ会)に招待したのに来ないまま、去ってしまいました。
B先生は、市内A公立小学校の先生(知り合い)が、「彼女がいなくなって、ボクらは助かった」と言っていましたが、今頃B公立小学校で頑張っているのでしょうか。A公立小学校は比較的新しい学校で、スタッフも若めで、新しい事にいろいろトライする革新的な校風なのですが、B先生にはついていけませんでした。そこで?かなり古い学校の年配の校長に採用されましたが、その後すぐに若いバリバリ系の校長がやってきて居場所を失い、
B公立小学校へ。この先生にあたると1年を棒に振るし、始終ネガティブな言葉を教室で言うので、子供達の心の荒みようが一番気掛かり。ロシアンルーレットの恐怖です。数年後には、別の学校にいる可能性大。
C先生は、中東のインターナショナルスクールに転職。以下にある地名の一つですが、これだけホットなエリアで、インターナショナルスクールのオファーがもらえるほどなので、私が良さを力説するまでもないか。。。

今年9月、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに米ニューヨーク大学(NYU)アブダビ校がオープンします。先日、初年度の合格者人数が発表され、合格率2.1%の超難関だったことが判明して話題になりました。

 アラブ首長国連邦にはニューヨーク大学のほかにも、すでにアブダビに米マサチューセッツ工科大学(MIT)や仏ソルボンヌ大学が進出。ドバイにはハーバード大学やロンドン・ビジネススクールなども現地校をオープンしています。今、欧米の名門大学が次々にUAEに現地校を開校するのはなぜなのでしょうか。

ドバイ・アブダビに欧米名門大学が続々進出の理由 | YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア) | 最上級を刺激する総合情報サイト



娘の行く小学校は、悪くない方ですが、それでも上述のように魅力的なパッケージで転職していく先生もいれば、市内たらい回し?の先生もいて、幅広いラインナップ。Year2からYear3になった時の私の安堵といったら。。。

尚、外れ組で私立学校に転職した先生がいます。それも面接無し書類選考のみというフシギ。まぁ、私立はパフォーマンス悪いと残れないでしょうから、別人のような頑張りを見せるのでしょう。私立学校の話はエントリーを改めるとして。
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IT系専門学校への留学は慎重に

数年前から、NZのIT系専門学校数校に日本語サイトができたり、日系エージェントがつくようになりました。

うちはその前に、別の用事でオットがとあるIT系専門学校の学長に会ったことがあったので、知り合いのワーホリさんが日系メディアへ広告を出してくれる企業を探している時に、紹介してあげました。それがそのワーホリさんの実績になって良かったね~なんて言っていた事があるので、もしかしたら責任の一端があるのかも???しれません。ないと思うけど。

日本では、下請け孫請けなどの多層構造の下の方に入ってしまうと、とんでもない納期、とんでもない受注金額で働いていて、将来の展望も見えなくなってしまいがちです。
そこで外の世界に視線を向けるのも、気持ちは良く分かります。

そこで最近IT系専門学校に日本人エンジニアさんが来るようになったようですが、正直言って、エージェントも学校も入学金や授業料、斡旋手数料をもらえばハッピーなので、卒業後の進路の面倒など見てくれないです。キウイだって新卒は就職難なのです。若い人の失業率は二桁です。

日本から来るエンジニアさんは経験年数が二桁いっている人も少なくないので、場合によっては、家族同伴です。私が聞いた中には(友人の物件を賃貸していた方でした)、5歳のお子さんがいて学校に通わせられない状態の人がいました。
NZでは5歳の誕生日に小学校に入学しますが、永住権かワークパーミットがないと「留学生料金」となってしまい、年間少なくとも50万円ほどかかってしまいます。公立でも。

ワークをサポートしてくれる企業からオファーをもらわないといけませんが、簡単なことではないです。日系に二束三文(職種問わず最低賃金)で雇われるか帰国することになりかねません。上述の方の場合は、1~2年で身の振り方を決めないと、お子さんが6歳の春を迎えてしまい、日本の小学校の入学にも間にあわなくなってしまいます。「1~2年?」と思われるかもしれませんが、「日系に二束三文」オプションを選ばないと、年単位で時間がかかる人もいます。ビザ(というかパーミット)の問題もあります。

私の勝手な印象ですが、IT系専門学校に行かずとも現地企業就職できる人はできるし、できない人はIT系専門学校に行ってもできないです。

欧米は結構学歴社会です(でも日本のように旧帝大がどうのとか、六大学がどうのとかまでは、普通の企業では問われない)。IT系企業だと修士を持っている人がざらにいます。相手が高く評価してくれそうなスキルかコネ、海外赴任経験があれば話は別ですが、そういう人は最初から専門学校にも行かないのかもしれません。

WEB上には、うまくいっているエンジニアの話が目に付くかもしれませんが、そうでない人達の話は、あまり表に出てこないためです。

ウチは、移住前、あえて「うまくいかなかった例」を検索して、研究しましたが、探すのが困難でした。探すのが困難=みんなうまくいっている ではないのですが。ウチは、たまたまNZの大卒で仕事に就けず帰国した人の体験談を目にしたりしたので、かなり気を引き締めて取り掛かりました。

IT系は求人数も多く、他の職種に比べたら言葉の壁が低めで、楽観的な見通しを立てがちですが、あくまで他に比較したらという話です。特に所帯持ちの人は悲観的なシナリオも用意して、何年頑張って思うようにいかなかったら、どうする-というプランも考えておいた上で行動に移さないと、年数ばかり過ぎ、貯金は底をつき、子供は大きくなり、バイトで食いつないではいるがスキルが錆び付き、気付いたら35歳過ぎていて、日本での就職活動が厳しそうな年齢、履歴書に何て書こう-なんてことになりかねません。


私は、日本のエンジニアの方が専門学校に行こうが現地企業に勤めようが日系企業に勤めようが、1円の損得も生じないので、こんな勝手なことを書いています。。。いいのかなぁ。

では、日本人エンジニアの方の目を惹きつけるような、耳障りの良い文章を書いている人は、なぜそれを書いているのか、なぜ日本語のサイトも開設したのか。ぜひそれを慎重に考えてみてほしいです。海外で働くという選択肢は、思い切りがないとなかなか進みませんが、勢いばかりでもいけません。

ちょっと怖い話を書くと、間借り人の学校の生徒さんが一時帰国して、「もうNZに戻らない!日本にいる!」と断るために成田に行ったら、そのまま留学エージェントが強引にNZに連れてきてしまった事が今年ありました。さすがに留学する気なしの子なので、無理矢理連れて来てもまた帰ってしまったのですが。
成田の時点で行く気がないので、スーツケースもなく、ハンドバッグしか持ってないのに。これって拉致監禁じゃないの~?ってくらいですが、それほどに、エージェントにとってその子は生活の糧なのです。

人生の中でも大きな決断だと思うので、日本語の情報だけじゃなく現地語の情報も入手し、どうにか頑張ってみて下さい。そうでないと、結局せっかく来ても日本語や日本人に依存して暮らすことになってしまいます。
この細々運営サイトで書いてもしょうがないけど。ま、老婆心?
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アメとムチの算数 in NZ

 息子が通う公立学校の5年生の授業を少し振り返ってみると、年々多少は課題も増えて来ているものの、まだまだのんびりしたもので、算数などは日本と比べるととんでもなくレベルが低いようにも思います。

[JMM]「IT化の進む教育現場」平らな国デンマーク/子育ての現場から/高田ケラー有子



そうなんです。せっかく5歳の誕生日に小学校に入学するのに、のんびりやっているので、いつになっても進みません。大体15歳の時点で、日本から2年遅れ程度です。個人差が激しいのでそれ以上の人もそれ以下の人も幅広いですが。
でも18歳で理系進学予定の子が選択する数学は、オットの話だと日本の高3あるいは大学レベルとのこと。

これは、15歳の時点で飛び抜けているか、その後の3年間で驚異的な伸びを見せるかのどちらかということでしょう。16歳(義務教育終了)でカレッジを中退する子が増えていますが、彼らは2年遅れの日本の中2相当かと言うと、そんなことはなく、広い個人差の端っこの方のことが多いですから、日本の小卒程度でも良い方だったりします。サバイバル算数のレベルです。

NZでは、前政権が妙な算数の教え方を始めたおかげで、九九の暗記がなくなった。でも算数って国境を越えて使えるポータブルなスキルだと思っているので、「私はNZ出身なので、九九はできません」なんて、他国に留学や就職した時に言ったら、びっくりされちゃうよね~。



と昨日つぶやいたのですが、先月、娘の小学校で行われた「算数ワークショップ」でもそれは確認しました。このワークショップは、家庭でいかに子供の算数をサポートするか、という内容で、他の集まりでは見たことのない70名という多数の親御さんたちが参加していました。

そこで説明されたのは、「九九の暗記はしない」「筆算はずっと年長になってから(恐らくINTERMEDIATE、12~13歳)」で、更に、「knowledgeを教えるのはyour part、strategyを教えるのがour part」と断言されちゃいました。そのワークショップに参加していない親御さんたちは知るよしもないyour partですよ。

大体、参加している親御さんたちは、いくらか熱心だったり時間があったりする人達で、参加していないのはその逆の可能性が高いのです。そのお子さん達は、knowledgeを大して教わることなく学校に来て、strategyなんて無謀というものです。

極めつけが、「あなたのお子さんがお釣りを間違わずにもらえるようになる!」です。まさにサバイバル算数の目標風。今時、サンデーマーケットぐらいしか、暗算でお釣りを計算する所ないですが。なんと言っても、銀行員が平気でバンバン計算を間違える国ですから、油断大敵?

さすがにこのワークショップで、キウイママ友も心配になったそうで。
彼女が子供の頃は、九九を小学校いっぱいかかって暗記させられたそうなのですが、できないと学校でムチで打たれたそうです。お尻ペンペンで逮捕される今のNZからは考えられない、体罰OKの時代ですね。このあたりからも、NZでの九九暗記がいかに苦行かを窺い知ることができます。。。ひょっとしてあまりに大変だから諦めることにしたのでしょうか。

かたや今この時代、市内の公立小学校のX小学校では、算数で満点をとるとアメをくれるクラスがあります。算数が得意な子の親御さんは、虫歯が心配ですね。
また別のY小学校の高学年では、年齢的にもうアメでは釣れないのか、フライドポテトを一本ずつ良い点の子供達にくれます。
思わず「ポテト一本のために、頑張れるものかしら~?」と聞いたら、もらっていない子の前でポテトを食べるのは、ちょっとした優越感らしいとのこと。ふ~む。

こうして、文字通りアメとムチが使われることがある、NZびっくり算数なのです。

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移民政策はネズミ講?

オーストラリアの新聞から面白い記事。

高齢化する団塊の世代をサポートするには、3600~5000万人の労働人口が必要。その若い移民世代が高齢者になる頃には、7200万~1億人が必要で・・・。

At core the new "populate or our future fortunes will perish" cry is the ultimate national pyramid scheme. We need to get to 36 -- or 50? -- million, to have the taxpaying workforce to support the now ageing baby-boomers. Beware of a Japanese-style population implosion!

Oh yeah? And when all those younger new arrivals start to age, we will presumably then need to move to 72 -- or 100 -- million, to have a sufficiently large taxpaying workforce to support them. Just as every boom busts, even our China one will; the laws of arithmetic always topple even the most elegant pyramid scheme.

Population policy a national pyramid scheme | The Australian



労働世代2人で1人の高齢者という構成になっていくのでしょうか。冗談っぽい口調ですが、年々平均寿命は伸びるし、医療費も年金もかさむし、移民をガンガン入れてピラミッドの下の方をむりやり増やしていかないと、でも移民も高齢化するしね、ということですか。。。

タイトルにネズミ講?とつけたのは、この記事を最初に見つけたのが、いつものinterest.co.nzで、ここにAustralia's immigration Ponzi scheme と紹介されていたためで、他意はないですよ~。
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日本語話者への険しい道

うちの場合は、2.両親とも日本人 ですが、3.のWHENは初等教育から長期で英語圏現地校通い となっています。la dolce vitaさんが「中等教育期」というタイミングが重要と書いていますが、同感です。

なお何人か完全日英バイリンガルの友達がいますが、2. WHO = 両親とも日本人、3. WHEN = 中等教育期に親の都合で長期英語圏に住み、現地校に通っていた(このタイミングがとても重要)、4. WHERE = 家庭は日本語、学校含めた外は英語と完全に分かれている、というケースしか知らないのです。 うちの息子みたいに英語環境が圧倒的に強い中で仕事ができるレベルまで日本語を操れるようにするには相当の努力が必要。

世界級ライフスタイルのつくり方 - 日英バイリンガルへの道 - 1



周囲を見回して、これぐらいだったら日英バイリンガルでしょうと私が思う子は、大概10歳前後までは日本に住んでいて、それから英語圏現地校通いをした子です。
(私がそう思う基準:聞く話すは当然として、どちらも学年相応の読み書きができる。日本語英語どちらでも物語や小説を楽しむことができる。どうしても苦手な言語だと、情報取得の読書にとどまりがちなので)

やれ英語耳は5歳までだのなんだのと焦る親御さんもいますが、確かに幼稚園や小学校低学年で英語圏に来れば、流暢に英語を話せるようになります。が、この年代、あまり意識して身につけようと思っていないせいか、「覚えのも早いが、忘れるのも早く」、日本に帰国するとあっけなく忘れてしまったりします。なんといっても、日本で生活する上では必要ないですから。

それ以上に読み書きの始まる年頃、抽象的な事柄を理解し始める年頃に日本語から離れてしまうので、日本語の成長や思考に遅れがでることしばしば。

我が家の場合、補習校にも通わず、日本語クラスにも通わずなのですが、「小学校卒業程度」まで行けたらかなりラッキーって感じです。(読み書き含む) 上述の10歳前後まで日本で暮らしていたレベルとまではいかなくても、その近辺までいけば、まぁよしです。大人になってもし日本語が必要になった時、学習を再開してもどうにかなる基礎ができるかな、と。

Intermediate(11~12歳)に行くようになると、そこそこ忙しくなることもあり、うちは1年前倒しでチャレンジをやっています。なのでYear6(10歳)で小学校6年生の教材が届くことになります。それぐらいのテンポで進むと良いのですが。

WHYはとても難しい部分ですね。日本語クラスでは、「自分(お母さん)が老後寂しい時に、日本語での話し相手になってほしい」とか「自分のアイデンティティとして」とか「祖父母とのコミュニケーションのため」など、いろいろ聞きましたが、日本語クラスでは小学校低学年程度の力しか身につかないので、どれほど目的を達成できるのかな、とちと疑問。

我が家は、日本人夫婦のこともあり、家庭内の会話は日本語のみ。なので、ある程度の必要性あり、という感じ。それぐらいの理由しかなかったりして。

娘の友人には、親が日本人夫婦で、日本語で話しかけても100%英語で返事をしている子もいて、「それでも通じてしまう」からかなぁ、話せないことはないのだと思うのですが。その光景を見ると、家庭内でも必要性ありというほどのことでもないのかなと思ったり。子供達にとっては。

帰省は、非常に大きい影響がありますね。うちは2年に一度、1ヶ月前後程度ですが、全然違います。娘は「ニュージーランドからやってきた」ということに相手が気がつかないくらいしっかり日本語を話していました。体験入学中の国語のテストも問題なく。
しかし!NZに戻って1週間でまたもやルー大柴化
「○○ちゃんが、すっごくlooking forwardだって!」だそうで。

娘は「プリキュア」だの「ジュエルペット」だの「おじゃ魔女ドレミ」だののアニメが大好きなので、今のところアニメを楽しめるというのが、日本語を学習する励みになっている様子。しめしめ。(でも、ボキャブラリーがドラマチックなものに偏りがちなのが困りもの)

ところで、大きく視点が変わりますが、日本としては日本語話者に増えて欲しいと思っているのでしょうかねぇ。

例えば、今月の地元紙によると、中国孔子学院から250000ドル(約千五百万円)の資金を得て、市内公立小中高校計10校で、来年から中国語を外国語として教え始めます。
こういう記事を読むと、「そうかそうか、中国語話者増えて欲しいのかな、文化を理解する人増えて欲しいのかな」なんて思いますが、翻って日本!

娘は日本国籍ですから、小学校1年から中学校3年までは国から教科書が支給されます。これももらうのに、領事館で「この教科書は、将来日本に帰国される予定があるお子さんのためのもので、永住者の方はご遠慮下さい」と言われ、「先の事なんて分かりません~」とかわす-というやりとりを毎回交わすのです。
海外では日本語教材が入手しにくいですから、教科書があれば、教えやすくて有り難いです。もちろん教科書だけでは足りないので、別に買ったり作ったりもするのですが。

税金を無駄なことに使っちゃいけませんが、これってそんなにケチらなくちゃいけないところなのかなぁ。。。こんな所までも道を険しくしなくたっていいのに。。。
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スピーチ大会

娘の行く学校でも、この時期は毎年スピーチ大会の季節。
マイクやパワーポイントを使わないぐらいで、ほとんど大人同様なのは同じ。

でも今年からはちょっと違う点が。

小学校3年生だと人前で喋るだけでも中々緊張してうまく出来ないような年齢だろうに。内容は私が会社の研修で初めて受けたものと同等レベルだ。
娘はこのお題目に向けて特訓中である。ひたすら一生使わない事柄を暗記する勉強と、どちらがこれからの人生に役立つのか、考えさえられる教材なのであった。

子供たちは何を学ぶべきか : 住みたいところに住める俺



というのも、昨年のスピーチ大会の結果、「張り切っているプレゼン大得意の親御さんが原稿をほとんど仕上げて、本番向けコーチングまでしてしまう」という問題が発覚した。
それはそれで、プレゼン屋みたいな見事なスピーチが聴けるので、いいんじゃないかとも言えるのだが、「賞をもらう顔ぶれが毎年変わらない」という結果になっていた。

先日、別の学校のママ友と話したところ、そのお嬢さんはスピーチ大会で1位だったけど、原稿はキウイのお婆ちゃんが全部書いたとか。日本でも子どもの宿題やってしまう親がいたけど、どこにでも張り切り過ぎて子どものやることを乗っ取ってしまう人はいるのかも。

そこで、今年からは「持ち帰りなし」になり、私もそうかそうかと特に声かけもせず、発表の前の週を迎えた。

そしたら、間に合わなくなってしまって、その週にキューカード作成、内容の暗記、練習が急きょ宿題になってしまった。

全員、その週は2週毎に出るレギュラーの宿題はなしでスピーチの準備をするよう、学校からのお便りが。

結果、「同じ顔ぶれ受賞」がまた続いたのは言うまでもない。実際、プレゼン大得意両親の子どもは、特別研修を毎年受けているようなものなので、他の子より上手なのは当然の部分もあるが。

音楽でもスポーツでも、一徹コーチがいる家庭ってあって、それぞれの分野で子供達が大いに活躍しているのと一緒で面白いけど、「持ち帰りなし」令がしかれる程力を入れてしまうのが、キウイっぽくて笑える。

小学校のスピーチ大会でウケるトピックはいかにもだが
-文化、人種の多様性関係
-環境問題系
-家族の絆がらみ
-マオリの子どもが自分のルーツや文化を語るもの

が大半かと思う。そこにもってきて「私のお気に入りのオモチャ」とかを選んでしまうと、トピックを選んだ時点で、苦戦が予想される。
娘は最近子猫を飼い始めたこともありペットについてだったが、本番の前週だと、既に殆ど内容が出来上がっており、「こ、これはSPCA(動物愛護協会みたいな団体)に絡めるとか何かしないと、オモチャネタと変わらないぞ」と思ったが、大幅に親が作り替えるのも何だなと思ったので、お便りに書かれていた通り、キューカード作成、内容の暗記、練習のみのお手伝いにとどめた。

昨年は、トピック選択式で賛成派と反対派から選ぶ形だった。娘は「学校にロリー(キャンデー)も持って行って良いか」で「持って行って良い」を選んだので、理由をこじつけるのにやや苦労したなぁ。。。

娘は、年々人前に出るのを恥ずかしがるようになり、Year1の時の発表の堂々とした様子が、今はやや影を潜めてしまった。そうは言っても、私よりずっと人前でちゃんと振る舞えているよな~と思う。

最後に、私が去年(娘Year3)の時に、おおぉっ!と思った授業内容は、やはり説得力ハンバーガー
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日本人の英語にどうしてこんなに辛口なんだろね

もともとつぶやいた人は、留学経験者のような気がするけど、それにしても、どうして日本人はここまで「日本人の英語の流暢さや発音に辛口評価」をするんだろう。切込隊長さんのコメント欄で見つけたコメントに同意。

これにしろ、任天堂の岩田社長の英語にしろ
「英語のできない日本人」って
他人の英語力に異常に厳しいね。
ネイティブと同レベルの流暢な英語しか
通じないと思ってるようだ。

このレベルで話せれば、必要十分。
というか、帰国子女でもない限り
ネイティブみたいな英語は一生話せないし
身につけようとするのも不毛な努力なんだけど
それを知らないからね。

ネット民、楽天の社内公用語を英語にするという三木谷社長の微妙な英語力を心配する(追記あり): 切込隊長BLOG(ブログ) Lead‐off man's Blog



英語圏に7年も住んでいるが、大人になってからの移住なので、当然ネイティブのような発音にはならないし、そんなもんだと思っている。

重要な事を話していると思われれば、多少拙くても耳を傾けてもらえる。

他の日本人ママが「日本人の前で英語を話すのは苦手」と言っていたが、私も。
耳をダンボにして、発音と流暢さのチェックをされるのは、本当に勘弁願いたい。他のことをしていても、ここまでレベルチェックされることないのに。

これじゃ、勇気を出して英語を話す→容赦ない辛口コメント→人前で英語話すのやめる→話す機会激減でなかなか上達しない→やっぱり英会話苦手→でも頑張ってみよう→最初に戻る
をぐるぐる回ったりして。

大体、スコットランド映画だってアメリカで上映される時は、英語字幕がついたりする。テレビで日本人ビジネスマンが英語を話していたときも、英語字幕がついていた。仮にちょっと標準英語より違う発音で通じにくかったとすれば、それでいいじゃん。全然恥ずかしいことじゃない。

意思疎通の道具なのに、なんでこんな騒ぎになるんだろう。


日本人の英語について、随分前に書いたエントリー

推薦エントリー 英語を話すサル - トーキング・マイノリティ
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インタラクティブ・ホワイトボードからの天下りか?

頑張って続けざまにエントリーをアップしましたが、土曜から娘が冬休みに入ったので、またご無沙汰になるのかも~。

高田ケラー有子さんの書いたデンマークでの子育ての記事を読んで、「あれ、ニュージーランドと似てるかも!」と思ってしまいました。
ここのところ、ICT教育に力入れすぎじゃないかなぁ、と思っていたところなんです。
娘の隣のクラスのママ友なんて、面談で
先生「お子さんはかけ算ができないようです」
お母さん「まだ習ってないですし」
先生「家で教えてあげて下さい」
と言われ、アレ~?と帰ってきたのですが、クラスではせっせとWordの使い方を教えてくれて、みるみるうちにいろいろ出来るようになっているのをお母さんも実感しているのだそう。


どちらも小国ゆえにフットワークが軽いせいか、新しい試みを実行しやすいです。

この年齢からプレゼンの基礎を学び、コンピュータも使いこなして行くことで、実践力にはなっていくのでしょうが、少し多すぎるようにも感じています。黒板がなくなり、教室でもスマートボードでインターネットを使いながら授業が進んでいく。もともと教科書に頼りすぎず、経験することで学ぶことが基本にはなっているものの、インターネットの疑似体験では、実体験に勝る訳もなく、このあたりで、少し検証しながらやっていただきたいと思っている所です。

[JMM]「IT化の進む教育現場」平らな国デンマーク/子育ての現場から/高田ケラー有子



娘(Year4/小3)の通う公立小学校でも、昨年あたりからこのスマートボードってのが導入され始めました。Interactive Whiteboardと呼んでいますが、アーム付きタイプなので1台100万円位するんです。ご存じない方のために、紹介すると、ホワイトボードとプロジェクターと巨大なiPadを足したような品物です。私が娘の教室で見たのは、これに脚がついて画面が一回り大きくなったようなもの。それを既に5クラスに入れており、あと6台買って、最終的には各クラスに配備すると意気込んでいます。そのための資金作りのイベントがあれこれあって、結構親も借り出されるのですが、私はちょっと白け気味。

というのも、このボードの導入が始まるのとほぼ同じ頃、このボードを販売する企業で勤めていた人が、教員として採用されました。

こんなことで学校を疑いの眼で見てしまう私は、根性曲がりかもしれませんが、「李下に冠を正さず」と言うじゃないですか。なんだか怪しいなぁ、と思っていたのです。

そうしたら、今度は、今月で辞める先生の後任として採用される教員も、その企業出身ときたじゃないですか。
なんか、人とモノとお金が通る、見えない道ができているような気がしちゃいました。どっちが天ってこともないから天下りとは言わないのでしょうけど。


子供達は、こういう大きなオモチャは大好きで、大いに喜んでいますし、何の役にも立たないなんては思いません。きっと子供達は楽しく学習できるのでしょう。
が、私は、「そんなお金があったら、器楽や水泳のパートタイムの先生でも雇ってよ~」って感じです。(ぜひこの年代の子供達にこそ機会をと私は思うのですが、かなりないがしろにされる分野。)
お金がありあまっている訳ではないので、ちまちまバザーだの屋台だのを学校で主催しては、1台ずつ買っているところです。

こんな大金をかけて子どものうちから体験しなければならないことだろうか?

大体、こういうのはただのツールで、それを使って一体何を学ぶんだろう?

と大いに疑問の今日この頃。
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福祉手当目当ての移住者

こういうのが話題になると、日本の人もやはり頭に来るよね。
でも日本人も似たようなことを海外でやっているのですが、あまり日本のニュースにはならない。規模が違うってのもあるけど。

大阪市西区に住む70代の姉妹2人の親族の中国人48人が5~6月に入国した直後、市に生活保護の受給を申請し、32人がすでに受給していることが29日、分かった。市は「入国直後の外国人がこれほど大量に申請した例は初めて。非常に不自然」として調査を始めるとともに、法務省入国管理局に対して入国管理の厳正な審査を求める。

痛いニュース(ノ∀`) : 中国人48人が来日直後に生活保護申請→32人が受給…大阪市 - ライブドアブログ



ニュージーランドの場合は、永住権をもらって2年間は自力で暮らせるだけの資金を用意するようにということになっている(私達の時で、強制ではないがexpectと書かれていた)。
この2年の間に経済的に苦しくなってしまった場合、Emergency benefitという緊急の手当を支給してもらうこともできるが、そうすると2年後にIndefiniteという制限期間なく入出国できるビザがおりるときに、不利という噂か本当か分からないが、どこにも明文化されているのは見たことがないが、そうらしい-ということになっているため、できるだけ避ける。

ある日系移住エージェントなどは、日本での説明会で「2年間自力で頑張れば、あとは働かなくても人間らしい暮らしができます」などと宣伝していたりする。

私が、移民サポートのボランティアをやっていた時も、2年きっかり経過で、失業者/低所得者用の公営住宅の申し込みをし、生活保護*も申し込むという「計画的?」と思うような人達は、後を絶たなかった。

例え、英語があまりできなくても、福祉についての情報には驚くほど精通していて、母国語で十分情報を得ることが可能だ。

soft touchな国の福祉情報は、いろんな仲介エージェントや先に移住した知り合い、インターネットなどを通じて、筒抜けだろうと思う。

だからと言って、NZは移民反対への道を進むかと言えば、そんなことはなく、一部のしょうもない人達によるデメリットより、多数派のお役立ち移民によりメリットをとる。で、一院制でホイホイ新しい法律ができる国なので、抜け穴が見つかれば、検討して塞ぐこともある。(例:NZで出産すればもれなく子供に市民権というのは数年前に廃止された。それまでは出産ツアーまでやって来ていた。廃止のきっかけは日本人の死産。)

それにしても、日本は国籍も生活保護も、もらうの大変な国だと思っていたよ。NZだったら、平均賃金程度以上の雇用のオファーがあるか、投資資金があるか、家族が後見人になってサポートでもするか、なんらかの食べていける道もない人に永住権を認可するのは稀だと思うけど、少なくともここ10年位は。(例外:難民カテゴリー)

むやみに移民に反対しているより、ちゃんと「どんな人をどんな条件で」入れるか考えて法整備をする方が現実的じゃないのかなぁ。そうこうしている間に、望まないお荷物系移民ばかりが増えちゃうよ。

この間の、500人養子縁組した韓国人の子ども手当申請も、今回の48人もそうだけど、これほど不自然なまとまった数でなければ、素通りできちゃうのかな、なんて思ったりして。

4月に帰省した時、外国人の子ども手当が話題になっていましたが、「あ、これ在NZ日本人家族で、お父さんが出稼ぎに日本にいっている家庭だったら、日本の子ども手当とNZの家族手当の二重どりする人いそうだな」と思いました。どうだったのでしょうね。


*注:NZには、失業手当、生活保護、と二本立てになった仕組みはなく、失業手当は期間制限がなく、失業保険に入る必要もないので、日本の生活保護に近いかな。
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親が邪魔しちゃイカンと思うのよ~

あんなキツイこと書いたけれど、私がそんな風に感じてしまう根拠となる実家事情をちょっと説明。

横浜の実家には70代の両親と今年40歳の弟がいるのだけど、弟は、ブラックっぽい所に就職しては、転職を繰り返し、その合間の失業期間が数年あったりで、履歴書には別紙が必要なぐらい、日本で就職活動する上では超不利な、新卒カードなし、転職回数多し、空白期間多し、36歳以上、と条件揃っている訳です。

そんな弟がようやく重い腰を上げて職探しを始めたところ、ありがたいことに茨城県から正社員のオファーがあったのです。

なのに弟はそれを断ってしまいました。母の「涙目」攻撃に陥落してしまったのです。
母の「罪悪感の包囲網」については、私ももろに巻き込まれていた時代があり、内定をもらっていながら、私も卒業後就職しなかったので、よく分かります。私はズルイので、バイト→ハケン→正社員 と徐々になし崩し的に包囲網から逃れて親離れしていきましたが。女性なので「嫁に行く」というのも、平和な手段の一つでした。そういえば、この「嫁に行く」カードも、「遠くにお嫁に行かないでね」という涙目攻撃で、えらく選択肢を狭められたことがありました。

しかしながら、40年も親と同居していると、アレコレ当たり前になってきてしまう部分があります。どちらにも別に暮らすということがイメージすらできなくなってしまいます。
当たり前になってしまった事に反する選択をするのは、子どもにとって親不孝のような気もするし、はっきり親側の期待を口にされる場合もあります。

で、弟はその後しばらく職探しを続けました。「まだ仕事見つからないのか」というプレッシャーが父からはかかります。結局、横浜市内でハケンの仕事を見つけて今に至ります。

私はその頃も「日本国内で見つかったらラッキーと思って」ぐらいのノリだったのですが、親はそんな事情を説明しても飲み込んではくれないですし、「今回のハケンが契約期間満了になって更新がなかったら?」なんてことも考えてもないのです。

また親の年金で親子3人で暮らす日々に戻ってしまうのでしょう、きっと。
弟が60歳になる20年後、どんなことになってしまっているのか。両親の不安も分からない訳ではないですが、弟だっていずれ老いるし患うこともあろうし、でも年金は期待できない世代だし。心配ですが、私がガミガミ言っても何も変わりません。。。

因みに、両親は健康ではないですが、要介護でもなく、自力生活が可能です。

こんな事情があるため、私はつい「自分の人生と子どもの人生のためには、涙目をふりきらなくてはいけない時がある!」と強く思ってしまうところがあり、実際にそれを行動にうつしてしまうことも多々あり。

この話をすると、「実は~」と意外にも親に可能性の芽を摘まれまくっている子ども(成人)の話がけっこう聞こえてきて、切なくなります。

親は子どものサポートをすることはあれど、足を引っ張ってはいけないと思うのです。



毒になる親

毒になる親

毎日新聞社



おまけとして、罪悪感の包囲網を構成しがちな親の言葉の例
「そんな子に育てた覚えはない」
「昔は~だったのに (ex.優しい子、など)」
「親不孝者」
「失望した」
「~してくれると思ったのに(ex.家を継いで、同居して、など)」
これらの言葉に、不幸そうな表情を添えられた場合、例え親でも用心して距離を置いた付き合いが必要になると思ってます。
author : zukunashi | comments (0) | trackbacks (0)